月別アーカイブ: 2014年5月

四角い白樺かご。

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引っ越しをして、ピカピカの洗面台になってから、
いままで気にしていなかったちいさな水滴が気になって、
拭き取り用のタオルを置くようになりました。

それからしばらくすると、今度は、そのタオルの佇まいが気になって、
スペースにちょうど収まるサイズの白樺かごがあったらいいな、とおもい、
ワイルドな樹皮を使って四角い白樺かごを作ってみました。

白樺かごは編んでいくと重なって厚みがでるために、想定よりも大きめに仕上がります。
わかっていながらも夢中になっていて、仕上がってみるとスペースギリギリなサイズに、、

試しにいろいろ入れてみると食パンがちょうどよく収まって、安心感。
ダイレクトメールの仮置きや家計簿をつけるまでのレシート入れ、
スケジュール帳の定位置にもピッタリな四角い白樺かご。

実際に使ってみると、とっても使いやすくて、おもわぬ発見にワクワク。
キッチンの空いているところに置いても、四角いので収まりがよいです。
白樺の根っこでかがったら、強度もアップして、ますます実用的になりそうです。

もっと高さをつけて、フタをつけたり、
他にもいろいろなサイズで作ってみたら、また新たな発見がありそう!と、
頭の中に作りたい白樺かごがどんどん増えてゆきます。。

その前に、、ひとまわりちいさな洗面用の白樺かごを作ることにしよう。

「WILD style 2.0 Square W15」

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樹皮は、ワイルドなタイプ。幅は2cm。 → WILD Style

 

日本人の心を学ぶ。竹籠の時間。

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四海波(しかいなみ)という竹籠がある。
荒波をモチーフにしたこの籠は600年以上前からある伝統的なデザインで歴史ある竹籠。
梅や椿の花のようにも見える、かわいらしく美しいこの籠を作る機会に恵まれました。

札幌にある古民家を改修して造られたカフェ森彦さんの素敵な空間にて、講師は山根広充さん
別府で修業された山根さんにお会いできたこともうれしかった。
私は横浜育ちなのですが、生まれは別府なんです。母の里帰り出産ですね。
別府・大分で10年暮らしていたこともあるのに、別府の竹細工のことを全然知らなくて、
山根さんにお会いするのを楽しみにしていました。

竹の種類は世界で1200種、日本では650種あり、
その中でも福岡と大分の真竹が一番竹細工に適していて、優れているそう。
山根さんは、大分にある竹林へ間引きにも行くといいます。
竹は根っこが全部つながっていて山を守っている。
竹林がだめになれば山がだめになってしまうから、
山根さんのような竹細工の職人さんの活動によって山は守られているのですね。

実際に手にした竹籤はとっても美しく、幅6ミリ、厚さ0.6ミリに山根さん自身が1本1本切り出していて、
それを想像しただけで、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この美しい竹籤づくりがあるからこそ、美しい籠づくりができる。
白樺かご同様に、編むまでのプロセスが90%以上、編むのはほんの数%の工程だとおもいました。

四海波籠を編みはじめてビックリしたのは、底面を編む際にピッタリ9cmに合わせること。
ちゃんと9cmのガイドがあり、ガイドに合わせて四角に編んでいきます。
9cmに合わせたら、今度はひとつひとつ空いている隙間を正方形になるように調整します。
この作業を一番丁寧にきっちり行います。

竹の性格も考慮しながら手作業できっちり切り出された竹籤。正確なサイズで編んでいく工程。
これだけでも日本人の繊細さと当たり前の感覚は段違いです。
それなのに面白いのは、9cmガイドできっちり測り、同じ材料で同じように編んでいるのに、
参加者ひとりひとり、全く雰囲気の違う籠に仕上がったことです。

600年前の日本人と同じように、いま、四海波籠を編み、感覚を研ぎ澄ませた時間。
ほんの少しかもしれないけれど、日本人らしさを捉え、影響を受けて、
なんだかとてもわくわくして、この感覚を宝物のように感じた1日になりました。

「日本人らしい白樺かごを作りたい。繊細で美しく、そして強くやさしい白樺かごを。」
そんな気持ちに新鮮なエネルギーを注いで、これからの作品づくりに繋げていきたいとおもいます。

四海波籠づくり
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美しい竹籤。つやがあり、手触りはさらっとしています。

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節の位置にも配慮しながら、9cmの正方形を作ります。

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竹籤を折らないようにおおきくやさしく結びます。

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お花のような形になってきました。

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結び目を中心にし、まるみを持たせながら直径15cmほどの大きさにしてゆきます。

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竹籤をカットして完成です!


竹籤の指輪づくり
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四海波籠が完成し、指輪のワークショップも。

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酒樽等の箍(たが)と同じ編み方で指輪を作りました。

北海道の厳しい自然を生き抜いてきた、白樺の景色。

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お茶の世界では、茶碗の釉薬の変化や偶然できた傷を景色として楽しみます。
北海道の厳しい自然を生き抜いてきた白樺に想いをはせながら、
自然の姿をみて、感じるような、白樺かごを作りたいとおもいました。

白樺の樹皮は、ひとつひとつすべて、色も厚みも模様もそれぞれ。
節や瘤、模様のようになっている線の太さや長さ、色までもいろいろで、
フラットでキレイな樹皮もあれば、荒々しかったり、波をうっている樹皮もあり、個性に溢れています。

フラットでキレイな樹皮は、樹皮テープにするのもスムーズで、びっくりするほど作業が早く進みます。
一方、荒々しい樹皮の作業は簡単ではなく、カッターで削りながら厚みを整えます。
テープにしてからも1本1本カッターで削り、フラットな状態に整え厚みを揃えていくので、
編むまでの工程は、通常の何倍もの時間を必要とします。
この工程をじっくりと丁寧に行うことで、想像以上に美しい仕上がりにつながります。

今回は、このワイルドな樹皮を1.2cm幅にカットして、パンかごを製作しました。
ちょうど文庫本が入る大きさなので、ベットサイドに読みかけの本を入れるのにもピッタリ。

樹皮の模様、節や瘤が景色となり、自然の力強いエネルギーを感じることができる
満月のような美しい白樺かごに仕上がりました。


「WILD style 1.2  Circle Φ21.5」

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 Size Φ21.5cm/W16.5/D16.5/H7

雪がなくなった寂しさは、どこかに。

北海道にもやっと春がきました。

自宅の庭に、つくしが顔を出し、

道端にはたくさんのたんぽぽの花。

桜の花に会えたら、久しぶりに友人に会ったときのように、

とてもうれしかった。

雪がなくなった寂しさは、どこかに。

白樺の木々にも瑞々しい新緑が芽吹いて、うれしそう。

キラキラと輝き広がる新緑の季節を

ワクワクしながら待っています。

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木の時間。うれしい時間。

札幌のpiccolinaさんにてcava craft平子貴俊さん
「点と線模様製作所の刺繍生地を使用してスツールを作る体験教室」に参加しました。

今回は、ほどんどの工程を平子さんが準備してくださっていたので、
木と木を繋ぐ工程と座面の生地張り、オイル仕上げをしました。
20名分の材料準備はとても大変だったとおもいます。
平子さんに感謝しながら、ひとつひとつ真剣に丁寧に進めていきます。
みな、無言です(笑)

座面に張る生地は、点と線模様製作所の岡理恵子さんの刺繍生地。
北の模様帖の「mori」という模様のレッドです。
おなじ模様でも色によって雰囲気があり、グリーンやネイビーも素敵でした。
岡さんの生地は、北海道にある身の回りの風景や植物が穏やかに生地に映し出されていて、
見ているだけで気持ちがあたたかくなり、うれしくなります。
岡さんのやわらかな点と線にすっかり魅了されてしまいました。

オイル仕上げの時間は、白樺かごの仕上げとおなじように、
ゆっくりとオイルを含ませて、やさしく拭きあげます。
ひとりひとり、素敵なスツールができました。

ときどき作りたい木の時間。うれしい時間。

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