祈るようなものづくり。
アイヌ文様には様々な意味があり、その文様を施した物は身を守ると言われています。自然から受け取ったその文様は神秘的で美しく、心が喜んでいるようです。
アイヌ民具である“チシポ”と言われる針入れからインスピレーションを得て、白樺の樹皮で針入れを作りました。白樺の木も同じように身を守ると言われているのです。
アイヌ文様の糸巻き“ヌイトサイエプ”に糸を巻いてキエプティンで紐を編み、麻布と刺繍糸のフリンジを縫いとめました。キエプティンはバイキング時代から伝わるフィンランドの道具です。
刺繍をしたり衣服を作る針はとても貴重で、アイヌの女性たちは針入れ(チシポ)をペンダントのように肌身離さず大切に身につけていたのだそうです。
物を大切にする心、しあわせを願うものづくり。新月に出逢ったアイヌ民具から大切なことをあらためて教えていただいたのでした。